新NISAは始めるべきなの?

はじめに

2024年になって早くも1か月が経過しました。
巷では、新NISAのCMやネットニュースがよく流れているのを見かけますよね。
「投資」というと『リスク』と結びつける人もまだまだ多くいます。
今回はそもそも新NISAとはなんなのか?始めるべきなのかどうかも含めてご紹介します。
今回の記事は、どちらかというと投資未経験の方向けになります。

そもそも新NISAとは?

『新』とついているので、『旧』NISAもあります。
NISA(ニーサ)とは”日本版”の”ISA(イーサ)”でNISA(ニーサ)と呼びます。
イーサとはイギリスにあるISA(Individual Savings Account)というイギリス在住者向けの投資や貯蓄の税制優遇制度のことです。

日本では、投資や預貯金で得る利息に対して所得税がかかります。その税率は2024年現在では約20%(正確には20.315%)の税率がかかるのです。
簡単に言うと、銀行の口座にお金を入れておいて、利息が10円付いたら2円の税金が引かれて手元に残るのが8円という事です。

日本政府としても2014年にNISA(日本版ISA)が誕生しました。
NISAとは一言で言うと、株式などの投資で得たお金にかかる税金を引かれなくできる制度です。

どうしてその制度ができたのか?

日本というのは銀行を使った預貯金の金額がとても多い国です。日本人の金融資産の約55%が銀行の預貯金です。
これはアメリカ人と比べると約5倍の割合。アメリカ人は逆に日本人の約5倍の投資資産があります。

銀行にお金を入れておいても利息は0に等しい状況。(一般的な大手銀行普通預金の金利は0.001%程度
お金が増えずに物価が上がるという事は、単純に資産が目減りしているという事になります。
今まで100円で買えていたものが110円支払わないと買えなくなっているので、買えるものが減るという事は資産が目減りしているということです。

銀行で使われないお金があるという事は、その分サービスやモノが売れないということで経済が動かないということです。
経済が動かないということは、景気が上向かないということにも繋がります。
そのお金を動かしもらうのもひとつの目的になります。

新NISAはどんな仕組みなのか?

2024年から始まった新しいNISAは、『つみたて投資枠』『成長投資枠』の2つがあります。
「枠」と言われると途端に難しく感じるかもしれないですが、つみたて投資枠とは、長期の積立・分散投資で資産形成していくことを目的としていて、成長投資枠とは、成長が見込める企業や業界に投資し、企業価値の拡大および株価の上昇で資産増加を目指すことを目的にしており、つみたて投資枠に比べ、高いリターンが見込める商品を選ぶことができるため、積極的に利益を狙った場合でも非課税で投資・運用が可能です。
成長投資枠は個別の銘柄の株をまとまったお金で購入することもできます。

税金をかからなくできると言っても、上限はあります。
つみたて投資枠と成長投資枠を合計して1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)までです。
一生涯のうちに1,800万円までなので、高額取引をしてその運用益だけで生活をするようなデイトレーダーや大株主と言われるような人であったり、退職金や相続したお金を運用に回すような人は対象とならない金額です。しかし、一般的な家庭の小額投資をするには十分な金額でしょう。

そして、年間でできる積立の金額にも上限があります。
つみたて投資枠は年間で120万円なので、毎月決まった金額を積み立てるのであれば月額10万円までです。
一方、成長投資枠は年間240万円となっており、一括で株を購入するとしたら240万円までになります。

NISAを始めるには、証券会社などで口座を開設する必要があります。口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上が条件です。
1人でひとつの口座しか開設ができません。Aという金融機関で口座を開設してBという金融機関で追加で開設ができないということです。

始めた方がいいの?

結論からいうと早く始めた方がいいです。
何故なら、何度も出てくるように、日本の銀行にお金を預けていても増えません。むしろ物価が上がることによって資産は目減りしているのと一緒です。

向こう3~5年などの短期の積立てとしてではなく、10年以上運用するつもりで将来のためにコツコツと運用をするべきです。
言ってしまえば、何もしない方がリスキーです。

投資未経験の人や初心者の人は、月に1万円など少額で毎月同じ金額を積み立てて運用する「つみたて投資枠」を使っていくといいと思います。
株式の上がり下がりに一喜一憂せずに自動的に毎月積み立てることができます。
始めから短期の売買を目的にしていないので、長期でお金に働いてもらうにはぴったりの方法です。

旧NISAとの違いは?

NISAが2024年から新しくなったのですが、今から始める方は旧NISAがどうだったのかは全く気にしなくて大丈夫です。

今までNISA口座を持っている人は何がどうなって、どうすればいいのか?が気になるところですよね。
簡単に言うと、非課税になる金額が大きくなって非課税で要られる期限が無くなったということ。と積立NISAと一般NISAが両方持てなかったものが、新NISAでは枠は同じように分かれているものの、一つのNISA口座で両方の枠分を使える。比較は以下の通り。

今までNISA口座を持っていた人は「ロールオーバー」ができなくなりました。従って、すぐに新NISAへ移行したい場合、一度売却して現金化し、新NISAで再度同じ商品を購入する必要があります。その際、同日に売却と購入を行えばタイムラグは生じないため、実質的にロールオーバーしたことになります。
しかし、売却金額の受け渡しは数営業日後になるため、一時的に購入資金を別で用意しなければならないので注意が必要になります。
※旧NISAと新NISAでは対象となっている商品が一部異なるため、必ず同じものに移すことができるわけではありません。

旧NISAと新NISAの非課税枠は併用できるので、すぐに売却せずにそのまま期限まで運用を続けるのが無難かと思います。

終わりに

なんとなく『投資』と聞くと怖いイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、それはバブル経済時に多くの投資家が儲かっていたのに、バブル崩壊と同時に大暴落して大損した人の武勇伝が色濃く残っているからにすぎません。

株価が下がった時を狙って株式を購入するのは「投機(機会を狙って投資する)」であって、短期的に利益を得ようとする考え方です。
一方、「投資」は長期的に資金を投じるという考え方です。
どちらも運用ではありますが、リスクの大きさや利益を得るための期間が異なります。

もちろん、入れたお金が必ず戻ってくる元本保証ではないですが、そのほんの少しのリスクを取ってでも始めた方がいいでしょう。
私がおススメするのはつみたて投資枠を使って投資信託を始めることです。
様々な企業や国の株式などがパッケージになっていて、どこかの株価が下がってもその中の別の株価が上がっていれば損はしにくいでしょう。

証券会社や銀行でも扱っているので、一度相談をしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
板垣 光城(いたがき みつしろ)
1978年神奈川県横浜市出身。
妻と2人の息子に恵まれる。ファイナンシャルプランナーとして述べ2,000組以上の顧客に、お金に関する相談やライフプランについてアドバイスを行ってきました。
結婚する前から人生の大事な場面に携わりたく、結婚相談所Shine Marriageを開業。
家族は現在マレーシアで生活をしていて、時間が合えばSkypeを繋いで夕飯を一緒に食べています。
土日は子供たちと教科書や参考書を使って国語のレッスンを行っています。
まずは相談だけでもOKです。

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新NISAは始めるべきなの?” に対して1件のコメントがあります。

  1. Hi, just wanted to say, I enjoyed this blog post.
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